市民本位・市民自治の市政を!

「安倍政権の横浜版、イベント重視・特区活用・超大型開発・大企業本位を継続し、カジノ反対・中学校給食実現など市民の要望は無視し市民負担は増加の予算!」横浜市2019年度予算案の概要と評価

2月4日
市民の市長をつくる会事務局長 菅野隆雄

はじめに

 1月25日林市長は2019年度予算案を発表しました。「新たな中期計画」の2年目の予算で、イベント重視の予算編成が特徴です。予算規模は全会計総額約3兆7048億円(対前年度比+3、1%増)、一般会計約1兆7615億円(対前年度比+2,0%)。歳入では市県民税などの増加など351億円増があります。歳出では高速道路・港湾整備・新市庁舎などの公共事業や大規模公園整備。子育て関係や公共施設の営繕などに大きな予算を振り分け、引き続きの国家戦略特区利用やPFI制度利用など安倍成長戦略の横浜版です。歳出の施設整備費は約2486億円となり不要不急の大型公共事業です。また、消費税増税を見越した予算編成になっています。

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1, 2019年度予算の概要

 横浜市予算案の一番の特徴は公共事業などの「施設整備費」です、一般会計に占める割合は約14、1%2486億円(対前年度比53億円増)です、林市政の始めは1670億円でした。内容は大型公共事業です、国庫補助事業(739億円、昨年699億円)と市単独事業費(1747億円、昨年1734億円)の比率と金額が多くなっています。横浜環状道路北西線の建設など390億円、国際コンテナ戦略港湾や客船バース建設180億円や、山下ふ頭再整備事業に今年も81億円(カジノ誘致調査1千万円)。新市庁舎整備417億円(総事業費719億円)の計上です。さらに横浜駅改造推進事業や関内・関外地区の整備事業等に36億円です。こうしたことは一度始めれば止まらない公共事業の魔物として、事業費が膨らみ市債として後々の市民負担となります。

 子ども・子育て支援として、保育所の整備・横浜保育室の補助と認定こども園・幼稚園児への国事業を活用した補助事業などに1456億円の支出です。引き続き企業立保育園誘致・施設整備費補助や保育士給与補助の上乗せなども継続しています。放課後児童対策は「放課後キッズクラブ」への全校移行や学童保育への補助施策の改善等があります。小児医療費補助は中3年生まで助成拡大(小4から500円負担)、中学校中食「ハマ弁」の喫食率改善に向けて即日注文を全校にするなどです。小・中学校の空調整備の継続。教師負担の軽減等は周辺整備等で本格的な施策などの要求に答えた予算か疑問があります。35人学級などの教育制度充実が急がれます。

医療分野では市民病院の再整備完了に310億円、地域ケァプラザ。特養ホーム増床などです。福祉人材確保として外国人材対策なども入れています。防災では防災スピーカ整備、危険塀の改良などに予算計上しています。林市長の記者会見で強調されたのは、開催が予定されている大型イベントの成功が初めにあり市民生活は二番目となり、市政の順序が違うはないでしょうか。こうした態度は市民生活をないがしろにしている姿勢が明らかです。

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2, 市民生活・要望に応えた予算になっているか

 平成30年度横浜市民意識調査では、心配ごとや困っていることとして、1番に「自分の病気や老後のこと」が54,1%、2番で「家族の健康や生活上の問題」40,8%、3番に「景気や生活費」24,7%となり健康や生活の心配ごとが上位にあります。そして、市政への要望としては「地震などの災害対策」「高齢者福祉」「バリアフリー対策」「防犯対策」「地域医療」などが多く、さらに「商店街の振興」「歩道の整備」となっています、こうした内容はここ数年の傾向です。こうしたことから身近な医療や生活支援制度の要望から「医療制度充実」「福祉・介護制度整備」「子育て・保育」「学校教育充実」などが望まれています、こうした内容は予算案では一部の前進でしかありません。

 また、市が強く打ちだしている「高速道路建設」は35位「都心臨海部再開発」は41位、観光やコンベンションは最下位で、多くの市民は要望しておらず予算案は逆立ちしたものになっています。

3, 行政改革・外部委託・PFI制度導入を進める

 行政改革は市役所内部の経費削減は、人件費削減や事務委託などの推進。民営化では市民の反対も多い保育所4園(▲48人)、学校給食委託2校(▲6人)、老人ホーム民営(▲34人)による不安定雇用の民間労働者に置き換えることをすすめ「官製ワーキングプア」を多くうみだし、本来自治体がなすべき公的責任を放棄し、わずかな経費削減と引き換えに業務蓄積や業務継承ができない職場をつくり、安定した雇用対策にも逆行するものです。

 民間活力導入ではPFI事業として、新ノースMICE・文化体育館や上下水道が計画され、完成後の市民利用方法などに懸念が出ています。

4, 市民要望を実現する予算内容と経済活性化・市民の命と暮らしを守る内容に

予算案説明は「国を挙げてのイベントの成功」「横浜が、その先へ」等と述べ安倍政権の経済政策の破綻により、生活破壊や格差と貧困が広がり、不安定雇用が多くなる社会から市民生活を改善する施策が地方自治体に求められています、市民生活調査からも解るように生活基盤が崩壊する状況が進んでいます、こうしたことから地方自治体は福祉・医療や子育て施策に温かい手を差しのべ、住みよい横浜にしていくことが求められています。予算案の中で「温暖化」対策、「こども指針」「公園指針」など林市政のカラーを打ち出すなどが見られます。カジノ誘致反対など安心安全、住民福祉増進につながる予算にしていくために取り組みを強め憲法を守る横浜市政を作りましょう。